大手チェーン店も、CM費すら捻出できない状況である。それは要するに、あまりに器を大きくしすぎ、楽観的な経営をしてきた結果である。おそらく、丼勘定しかできない愚鈍な経営者が多いのが現状であろう。
健全な会社経営と違い、いわばギャンブル業界である。たかが娯楽である、なにも産み出さない。
産業母体を持たない、理念も持たない、刹那的で馬鹿な経営者と容易に想像がつく。
だが、なにも店側だけが業界を衰退させたわけではないだろう。
そこには、メーカー側の責任もある。新機種を間断なく投入してくる開発サイクルの早さ、新台の価格上昇も追い打ちを掛けていることだろう。
勿論、世の中が好景気で、まさに、いけいけであれば、それでも問題なかったのだが、長らくデフレ不況が続き、客が遊興費にお金を割けない状況に陥り、低貸しの2パチ、1パチ、10スロ、5スロが出てきた。
パチの勝敗は、基本、客同士の金の取り合いである。
勝った者は、負けた者の財布から金を奪ったことになる。店側は高いショバ代を全客から取っている。
店側の新装などのとき、ほとんどの客がプラスになるようなときは、店側からも金を提供する。
店側から見たとき、少数特定の者だけが勝ち続けることが好ましくない。多少のバラツキができたとしても、
客まんべんなく、金を取りたいのである。
そこで遠隔操作が出てきた。だがこれだけだと片手落ちである。
今はホール内には至るところに、監視カメラが設置されている。こんなところにも? というところにもある。
カメラは驚くほど、高性能なものだ。毛穴まで見分けるのではというほどである。
そして、近年、驚異的な画像認識ソフトがあるのだ。
店側はこのソフトで、すべての客の情報を記録しているのである。いくら金を投入して、いくら勝っていて、負けているのかを全て把握しているのである。
まるで、手のひらの上で転がされているということである。やりたい放題。
プロと呼ばれる者が極端に減ったのはこれに起因している。
だから、あくまで、ストレス発散や趣味でとどめるのであれば結構だが、間違っても勝とうとは思わないことである。